どうも家づくりラボの服部です。
昔、実演販売をやっていた方から聞いた話で「モノを売りたかったらまず考える時間を与えない事…」なんていうのがありました。深夜やっているTV通販が今でもやっているテクニックなんですが、「この放送終了後30分以内の特価です」といったのがこれにあたります。
住宅業界でももうすでにモノが建っており、売らなければ管理費ばかりが嵩む建売住宅なんかもこの手法を取っている会社が多いようで、1つしかない商品である事をアピールし、早くしないとなくなりますよ~と複数のお客様にセールスするというもの。人の脳は焦りがはいると思考が鈍ります。家づくりは一生の買い物なので、慎重に慎重を重ねてちょうどよいモノなのですが、そんな中、相反するように判断にスピードが求められるようになる…かもしれないお話をここでご紹介いたします。
止まらない円安。度重なる商品の値上げ。住宅ローンの今後は金利は?
ここ数カ月で1ドルが110円から130円台に。ドル円は20年4カ月ぶりの高値圏へと急伸し、輸入に頼っている業界の商品は軒並み値上げに踏み切っている状態が続いています。コロナウイルス蔓延、ロシアによるウクライナ進軍など様々な原因が絡みあって、何がどう変わるか分からないような状態のなか、肝心なのは変化に対応できるスピードの速さ…なのかな、っと思うようになりました。
ウッドショックの影響によりどの住宅会社も木材不足による苦労を強いられていますが、もう一つ心配なのは、史上最低と言われていた住宅ローンの金利がはたしてこのまま低い数字のままいけるかどうか?ということです。
例えば今、2,000万円を頭金なし、ボーナス返済なし、変動金利0.52%で35年借りた場合、総返済額は約2,188万円となり利息分は約188円程度ですが、返済金利を仮に62%とした場合、返済総額は約2,253万円で、利息分は約253万円。たった0.1%の変化で約65万円もの差が生まれることになります。また、当然変動金利の場合は、その時々に合わせて金利が変更するため、まだまだ低金利は続くとしてもある程度のリスクがあることは頭に入れておかなければなりません。
値上がりラッシュが続くなか、「コロナや戦争が落ち着けば、元に戻る」と考える方も多いと思いますが、もともと値上げをずっと耐え、断腸の思いで踏み切った企業も多い事を考えると値上げはあっても値下げは難しい…というのが私の見立てです。
ドルが上がる前にドル貯金をしておけばよかった…と思っても今は遅し。
電気代や灯油代が上がるなかで、省エネ住宅を求めてもその時には材料不足に住宅ローン金利の上昇で、手が出せなくなってしまった…なんて状況にならないために、今が家づくりの最後のチャンスと考えるお客様も多くいらっしゃいます。
一番、まずいのは家賃の値上げか?
毎月、定額でかかるものはなるべく値上げして欲しくないって願うのは私だけではないはずです。
いろいろなモノが値上がりをする前に家づくりを考えてみたいものです。